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内部障害者

「平成23年版障害者白書」によると、内部障害者は約100万人で、身体障害者(知的障害、精神障害を除く)全体の30.5%を占めています。平成8年(1996年)から平成18年(2006年)までの10年間で内部障害者は21.2%から30.5%へと大幅に増加しています。これは人口の高齢化の影響により増加していると考えられています。

内部障害は、外見上わかりにくい障害です。全体の半数以上が1級の障害で、心臓疾患がもっとも多く、ついで腎臓疾患です。他の障害に比べ年々増加しているのが大きな特徴です。

心臓機能障害

心臓の機能が低下した障害(不整脈、狭心症、心筋症等)のためにで、ペースメーカー(心臓に電気刺激を一定間隔で与えて収縮させて、心臓の動きを正常に保つ装置)等を使用している人がいます。

呼吸器機能障害

呼吸器系の病気により呼吸の機能が低下した障害で、酸素ボンベを持っていったり、人工呼吸器(ベンチレーター)を使用している人がいます。

腎臓機能障害

腎機能が低下した障害で、定期的な人工透析(腎不全の治療の一つで、血液中の老廃物を除き、必要な物質を補給して体内に戻す)に通院している人がいる。

膀胱・直腸機能障害

膀胱の病気や腸管の障害で、お腹に新たな排泄口(ストーマ)を造設している人がいます。オストメイト(人工肛門や人口膀胱を持つ人)は、トイレの中に補装具(パウチ=排泄物を溜めておく袋)を洗浄できる水洗装置、温水設備等を必要とします。

小腸機能障害

小腸の機能が損なわれた障害で、食事を通じた栄養維持が困難なため、定期的に静脈から輸液の補給を受けている人がいます。

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害

HIVによって免疫機能が低下した障害で、抗ウィルス剤を服薬しています。

上記の内部障害の他にも膠原病(こうげんびょう)や、パーキンソン病、ペーチェット病等の難病も、病気の進行によって、平衡を維持できない場合がある等、日常生活に著しく制約を受けています。

移動上の困難さ
  • 長時間の立位が困難な場合がある。
  • 心肺機能の低下等により長い距離を連続して歩くことや階段の昇降が困難な場合がある。
  • 携帯電話等の電波によるペースメーカーへの影響が懸念される。
  • 障害の部分により、空気の汚染されている場所に近づけないことや、酸素ボンベの携行が必要な場合がある。
  • 膀胱・直腸等の機能障害による排泄の問題がある。
  • オストメイトの人のパウチ洗浄設備など、トイレに特別の設備を必要とする場合がある。