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視覚障害者(全盲・弱視)

「平成23年版障害者白書」によると、視覚障害者は約31万人、身体障害者(知的障害、精神障害を除く)全体の約9%を占めています。

病気等により後天的に障害となった人が80%と圧倒的に多く、年齢が高くなるほど増加しています。

視覚障害者には、主として音声による情報や案内が必要となります。たとえば、駅では運賃や乗り換え経路の案内、駅構内の案内等です。また、駅のプラットホーム上での適切な誘導による安全の確保等、移動の安全を確保することが重要となります。

視覚障害者は、まったく見えない全盲の人だけでなく、光を感じたり物の輪郭等を判断でき、点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)や壁や床のラインと背景色のコントラストを目印に外出できるような弱視(ロービジョンとも呼ばれます)と言われる人も少なくありません。

全盲の人は視覚障害者の20%程度といわれ、その他は弱視者となります。弱視者は周囲の明るさや対象物のコントラスト等の状況によって、同じ物でも見え方が異なる場合があります。

ほかに、視野(視界)の一部分が欠けてなくなることがあり、周囲の情報を十分に視覚的に捉えることができない障害や視力の低下、ぼやけて見えにくい、視野狭窄(視野が周辺や中心から狭くなる状態)により見えにくい、視野の中心の暗点(見えない部分)により見えにくい、明順応障害(暗いところから急に明るいところに移った時、最初はまぶしさを感じるがしばらくすると物を認識できるようになることができない)がありまぶしくて見えにくい等、様々な障害があります。

視覚障害者は白杖盲導犬などと共に外出し、目的地への道順、目標となる物等を事前に学習してから出かけることが一般的です。しかし、日によって屋外空間の状況は変化することから、天候、人の流れ、不意な工事の実施等、いつもと異なる環境になることも少なくありません。また、急に初めての場所に出かける必要に迫られることもあります。単独歩行(1人で歩く)に慣れている視覚障害者でも、こうした状況の変化は緊張を強いられ、思わぬ危険に遭遇してしまうこともあります。

駅周辺の放置自転車や、歩道や通路等に置いてある看板等も注意しなければぶつかるため、周囲の配慮が必要となります。

移動上の困難さ
  • 駅では経路の案内、施設設備の案内、運行情報等、主として音による情報や案内が必要である。
  • 駅のプラットホームを歩くときは、ホームからの転落の危険・不安を感じている。
  • 弱視の人は、色のコントラストがないと階段のステップや表示板などがわらかない場合がある。また、文字表示は大きくはっきりと表示し、近づいて読めることが必要である。