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肢体不自由者(車いす使用者)

車いす使用者は、下肢等の切断、脳血管障害、脊髄損傷、脳性麻痺、進行性筋萎縮、リウマチ性疾患等により下肢の機能が失われる(又は低下するなど)こと等により、障害に適した車いす(手動車いす、簡易式折りたたみ式電動車いす、電動車いす、ハンドル形電動車いす、(身体支持部のティルト機構やリクライニング機構等を有する)座位変換形車いす等)を使用している。また、一時的なけがによる車いすの使用も考えられる。

脳血管障害により車いすを使用している人は、左右いずれかの片麻痺の状態であることが多く、片方の手足で車いすをコントロールしている場合がある。

脊髄損傷により車いすを使用している人は、障害の状況により下半身、四肢等の麻痺が生じ、歩行が困難又は不可能になっている。また、便意を感じない、体温調整が困難、床ずれになる等、生活上多くの2次障害を抱えている場合が多い。床ずれを予防するため車いすのシートにクッションを敷いていることが多い。

脳性麻痺により車いすを使用している人は、不随意の動きをしたり、手足に硬直が生じていることがあり、細かい作業(切符の購入等)に困難をきたす場合がある。また、言語障害を伴う場合も多くあり、知的障害と重複している場合もある。

進行性筋萎縮症は進行性で筋肉が萎縮する疾患である。進行性のため、徐々に歩行が困難となり車いすを使用するに至る。首の座りや姿勢を維持するのが難しい場合もあり、筋肉が弱っていることから身体に触れる介助は十分な配慮が必要となる。

リウマチは慢性的に進行する病気で、多くは関節を動かした時に痛みを伴う。関節が破壊されていくため、特に脚などの力のかかる部分は、大きな負担に耐えられなくなる。そのため、症状が重くなると車いすを使う場合がある。

移動上の困難さ

  • 車いす使用者は、段差や坂道が移動の大きな妨げとなる。
  • 移動が円滑に行えない、トイレが使用できない等の問題があることから、外出時の負担が大きい。
  • 階段、段差だけでなく、極端な人混み、狭い通路、急なスロープ、長い距離のスロープ、通路の傾斜などの通過も困難となる。
  • 券売機の設置位置が高かったり、車いすのフットサポートが入るスペースが十分でないなど券売機での切符の購入が困難な場合がある。
  • 頭の位置が低いために人混みでは周囲の人のバッグなどが顔にあたることがある。
  • 視点が常に低い位置にあり、高い位置にあるものが見えにくかったり、手が届かないことがある。
  • 上肢に障害がある場合、手腕による巧緻な操作や作業が難しく、エレベーターやトイレ、券売機等の操作ボタン等の操作が困難な場合がある。
  • 車いす(手動車いす、簡易式折りたたみ式電動車いす、電動車いす、ハンドル形電動車いす、座位変換形車いす等)が安定的に位置取りかつ動作できるスペースが必要なことがある。